『口唇口蓋裂を描くということ』後編~Leonine interview vol.1


  • 2018年10月23日
  • Leonine
Leonineスタッフよりお届けする口唇口蓋裂に関係する当事者の方へのインタビュー記事。Vol.1は『口唇口蓋裂を描くということ』。前編はブログを始めたきっかけや、記録についてのアドバイスをいただいたりしましたが、後編は、ブログについてお伺いしました。

ーーブログなどで発表しなくても、記録は家族の問題を解決する手段になったり、

  子供にいつかたくさん話が出来る良いツールですね。

  ところで、じぇにこさんのブログは色々かなり直球で描かれていて、

  あまりポジティブでないことも多いですが、読者の反応は如何ですか?

 

じぇにこ: 私のまぴくぴブログはメインテーマが育児絵日記なので、

実は同じ口唇口蓋裂の子を持つ親御さんよりも名前は聞いたことあるとか、

そういう病気があるのは知ってるといった方の方が多いです。

写真や文章を使うよりもイラスト、漫画形式のほうが色んな情報や状況がわかりやすいとおもって描き始めたことが、

思ってた以上にこの病気を知らない読者の方に伝わるようで

「治るとは知ってたけど治るまでにこんなに大変とは知らなかった」などと言われたりします。

また、治るとほとんどの人が希望を持っていってくださるんですが、

私たち家族にとっては言葉で言うよりも単純に捉えられないな、というのが今のところ経験した上で感じた本音です。

ポジティブだけでは通用しない事が多かったし、おそらくこの先、当事者の娘が大きくなるにつれて

ぶつかる壁もあるかもしれないと思ってます。家族としてそれを支えて見守りながら

治るってどういう事なのか本当の事を描いて多くの人に知ってもらいたいと思い、ありのままを描きました。

 

 

ーー同じ疾患の人(家族)へ体験記として伝えたいということもあったと思いま
  それが、他にもそれ以外の方が多く見て感想を寄せてくださるということについてどう思われますか?

 

じぇにこ: 同じ境遇、当事者の方はあるある!って感じで共感してくれるので

身近に同じ境遇の方がいない私にとってそれは純粋に嬉しかったです。

他の方々の反応に関しては正直意外でした(笑)でも知ってくださるのはたいへんありがたいなと思いました。

500人に1人生まれてるのに認知度は低いので、1人でも多くの方に知ってもらえると思うと

それまでマイペースに、と思ってたことが、ちょっとだけ頑張ろと思えました。

 

ーー今後は治療のこと以外にも描いてみたいというテーマはありますか?

 

じぇにこ: 読者の中には夫婦仲がどうやって再構築したのかが気になるという声もありますので、

近く夫婦暗黒期の話を書く予定です(笑)テーマが基本的に私視点の育児絵日記なので

娘たち2人の成長や育児のこと、家族のことをマイペースにかいていきます。

あとは口唇口蓋裂以外でかかった病気の話や育児や子育てについて今学んでる事、

それから口唇口蓋裂の治療の過程に合わせて親から見た当事者の気持ちや声も

ありのままかくのであまり前向きじゃない事もこれからもあるかなと、、、。

 

 

ーー確かに夫婦仲再構築、かなり気になります、、、前向きじゃないことも読者としては大歓迎です(笑)

  どこの家も大なり小なり問題はあってそれを描いてくださることで、

  自分を重ねたり参考にさせていただけたりしますから。

  さて、じぇにこさんはブログだけでなく家族会を開催されるということなんですが(2018年11月10日愛知県)

  どういったきっかけで開催されることにしたんでしょうか?

 

じぇにこ: 愛知県にもたんぽぽの会という口唇口蓋裂の家族会というのがあるのは知ってました。

娘が生まれた時からできるなら情報交換や色々な話を聞きたい!と思っていたんですが

同じ病院にいる同じ疾患を持つ家族の方などいざ前にすると何をどこまで聞いていいのかもわからないので、

なかなか声がかけづらくできませんでした。

初めて口唇口蓋裂の家族の方とお話したのは娘の最初の手術の時だったんですが、

その時も手術に気を張っていたり、初めて口唇口蓋裂が軽度から重度違うことも知り、

とても失礼なんですが、疾患の程度を比べてしまい悲観的になりそうなので、

余計にそういった集まりから遠ざかってしまいました。

当時はメンタル面でも不安定なので余計に余裕がなかったのも一つです。

 

しかし、今現在娘は5歳、赤ちゃんの時とは違い、はっきり物事がわかるようになり、

近いうちに自分の病気について知る時がきます。家族以外の他者と関わる事も増えて今は楽しいだけの集団生活ですが、

手術や治療で自分は周りにいるお友達と少し違う?と感じる時がくるかもしれない。

そうなる前に娘以外にも同じ子がいるよ、という事を知ってほしいと思うようになりました。

口唇口蓋裂の子とも幼稚園、学校のお友達とも付き合いながら色々な子がいるなかで

自分もその1人ということを知ってほしいので再び集まりに参加してみようと思うようになったんですが、

なかなか身近に参加できる機会がないんですよね(^◇^;)小さい子を連れてだと市街はなかなか難しいですし、

だったら今はSNSというツールがあるのだから声をかけて集めてみよう!と思いたったのがきっかけです。

 

ーー情報はネットでも入手できますが対面するというのは、親にも子供にとっても重要なことだと私も思います。

  家族会の開催は思い切らないとなかなかできないことなので全面的に支持します!

  最後に何か読者さんへのメッセージなどあればお願いします。

 

じぇにこ: 読んでくださりありがとうございます。

至らない点が目立つ事が多いかと思いますが、私のブログは漫画やイラストを使うことで文字を読むより

サクッと見ることができると思うので(画力の問題はさておき(笑))

口唇口蓋裂育児真っ只中で忙しい親御さんたちにも読みやすく、あるあると共感して身近に感じられるような

存在になれたらいいな!という気持ちと、私のブログを通して1人でも多くの人が

この口唇口蓋裂という病気に理解を示してくれるひとが増えるキッカケになれれば幸いだなという気持ちで

皆様にお届けしています。私も育児真っ只中、口唇口蓋裂の病気と向き合って5年のペーペーで、

まだまだ親子で問題は山積みですが、でも娘がこの病気として生まれた以上、

家族みんなで向き合う課題と捉え、当事者じゃない以上理解できないことも歩み寄れるよう勉強して、

家族で乗り越えていけるよう、どうか今後とも暖かく見守ってやってください(・∀・)

 

ーーありがとうございました!

 

イラスト全て©じぇにこ 禁転載

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