保育園生活を円滑に送るために注意すべき3つのこと


  • 2018年1月28日
  • Leonine
口唇口蓋裂の子どもが保育園に入るとき、多くのご両親が「保育園に無事入れるだろうか?園生活は年活に送れるだろうか」と不安に思います。本コラムでは、口唇口蓋裂の双子のお子様を持つ、介護福祉士 兼 Webライターの中村楓さんに、口唇口蓋裂の子どもが保育園生活を円滑に送るための注意事項を自身の経験を元にコラムにしていただきました。これから保育園入園を控えるご両親はぜひご参考にされてください。

口唇口蓋裂の子供が保育園生活を円滑に送るために注意すべき3つのこと

 

口唇口蓋裂の子供を持つ親にとって、子供が保育園に入れるかどうか、保育園生活を円滑
に送れるかどうかは最も心配なことの1つです。

実際に私も、出産後すぐに心配だったのが、この子たちが保育園に入れるかどうか、ということでした。
そこで私は、早い段階から保育園選びをスタートさせ、無事に1歳から入園することができました。

その後の保育園生活も問題なく送れています。

このコラムでは、私の経験を元に、口唇口蓋裂の子供が保育園生活を円滑に送るために注意すべき点を3つ紹介します。

 

1.入園前に保育園を見学し相談しておこう

子供を保育園に入園させたいと思ったら、希望の保育園を見学しておいた方が無難です。

なぜなら、保育園によって保育方針や雰囲気は違うため、自分の目で確かめておいた方が良いからです。

特に、持病のある子供を保育園に預けたい場合には、必ず子供を連れて保育園見学を行っておきましょう。

子供を連れていけば、保育園側も子供の状態を目で見て知ることができます。
見学する時には、電話で見学予約をする時点で口唇口蓋裂があることを伝えておきましょう。

口唇口蓋裂を理由に見学を断られることはありません。

しかし、保育園によっては口唇口蓋裂の子供を受け入れたことがないところもあるかもしれません。

保育園に事前に情報を伝えておけば、保育園側も心づもりができることでしょう。

 

そして、実際に見学に行った時には、詳しい病状の説明や現在の状況、入園時にはどういう状況になっているかを伝えます。

そのうえで、入園が可能かどうかを相談しましょう。

 

私が見学に行った時には、「担当医から保育園通園の許可が下りているなら大丈夫です。」と言われました。

私の時には口頭で大丈夫でしたが、もし文書が必要と言われた場合には、保育園の指示に従ってください。

 

2.入園が決まったら子供の疾患や現状は詳細に伝えておこう

 

希望の保育園で入園が可能とわかったら、入園前の面談で子供の疾患や現状について、再度保育園に伝えましょう。

入園を前提とした面談で話した内容は、入園までに先生方で情報共有されます。

情報は多ければ多いほど対策が取りやすくなりますので、詳細に伝えた方が良いでしょう。

 

また、口唇口蓋裂の子供の受け入れをしたことがなかったり、受け入れの経験が少ない場合、保育園も知らないことが多く、保育に不安を抱える可能性もあります。

お互いの信頼関係を築くという意味合いでも、知っている情報は全て出すくらいの気持ちでいましょう。

 

具体的には、現在の家での状況や保育園生活で気を付けてほしいこと、今後の手術予定などもわかる範囲で伝えておきます。

もし、入園後に本人の状況や手術の予定が変わった場合には、その都度伝えることを言い添えましょう。

その一言だけで、保育園が私たちに持つ印象を良くすることができます。

 

3.保育園に家と同じ対応を求めない

保育園に入園するときにやってはいけないのは、家と同じ対応を保育園に求めることです。

保育園では、たくさんの子供を少ない人数でお世話しなくてはいけません。

特に、社会問題にもなっているように、保育士の人数はまだまだ足りていない状況です。

そこに本来の保育業務以外のことが入ってくると、保育士の仕事はより多忙になってしまいます。

 

ですから、保育園でお願いするのは最小限のことに絞りましょう。口唇口蓋裂の子が低年齢の場合、最も不安なのは口蓋裂手術前に預けた時ではないでしょうか。

軟口蓋が開放している状態の時には、自宅では食後に口腔ケアを行います。
しかし、保育園によっては口腔ケアまでお願いできないところもあるでしょう。

私の保育園でも口腔ケアは難しいとのことだったので、担当医と相談し自宅でしっかり行うことになりました。

 

また、術後の服薬や外用薬の貼付については、保育園でも対応可とのことだったので、保育士にお願いしています。

保育園でもできることは協力してくれますので、事前に担当医とも相談しておき、どうしてもやってもらわないと困ることだけ保育園にお願いするようにしましょう。

 

まとめ

口唇口蓋裂に限らず、持病のある子供を保育園に預けるのは、不安なことが多いでしょう。

それは、保育園側も同じ気持ちです。ですから、私たち親が情報をしっかりと伝え、保育園との信頼関係を築くようにしましょう。

信頼関係ができていれば、保育園生活を円滑に送ることは難しいことではありません。

ぜひ今回紹介した注意点を参考にして、お互いに安心できるような保育園生活を送ってください。

 

Written by 中村楓

 

中村楓

山口県在住

介護福祉士&ライター

 

3人の子供のうち、5歳の二卵性双子が口唇裂&口唇口蓋裂。

双子兄:左不完全口唇裂

双子弟:左完全口唇裂、右不完全口唇裂、口蓋裂

切迫早産にて個人病院に入院中、定期検診にて口唇裂の疑いを指摘され、山口大学病院へ転院。

妊娠中に歯科口腔外科(口唇口蓋裂外来)の先生より口唇口蓋裂の説明、治療方針等説明を受ける。

出産後、双子の発症例は珍しいと言われる。

 

【Leonineご協力経緯】

以前から、双子がそれぞれ片側と両側の口唇裂であり、一人は口唇口蓋裂ということもあり、両方の視点からの治療過程や育児など、同じ口唇口蓋裂の子供を持つ親御さんの役に立ちたいという思いがありました。

その時、ネットでLEONINEの活動を知り、コラムの執筆でお力になれたらと思い、協力の申し出をさせていただきました。

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