幼児〜小児への『手術をすることをどのように伝えたか』
- 2022年7月7日
- LeonineAdmin
子供に「顎裂骨移植手術と入院についてどのように伝えるのか」両親の悩みどころの一つだと思います。
赤ちゃんの時とは違い、色々分かってきている時期に大人でも大変な『入院と手術』をするわけです。
既に子供に伝えたお母さんたち10人に、いつ、どのように伝えたのかを聞いてみました。
Aさん(手術時期:6歳年長/男子/右側完全口唇口蓋裂/昭和大学病院)
伝えたのは手術の2ヶ月前です。息子は急に予定を聞くのが苦手なので少し早めにしました。
そしてお友達が先に手術を済ませていたので、ラインで写真をみせながら
「ねぇねぇ、前に遊んだことある〇〇君がお口の手術したんだって。すごいねー」
「この前病院で会った□□ちゃんもしたんだって」とその前に手術したお友達勇者の話をして
下準備をしておりました。
うちでは赤ちゃんの時からリビングに口唇手術前の写真を飾って、
「こういう状態で生まれたから矯正とか病院とか頑張るんだよ。がんばれる息子くんはすごいね」と
いう感じで伝えていたので手術については「矯正した顎をさらに強くしてくっつける手術をするんだよ」とあまり正しく無い(笑)感じですが直球で伝えました。
手術についてはあまりピンとこないのか「痛い?」「苦しい?」という質問で嘘をついても仕方ないので「3日くらい痛い」「苦しいけどお医者さんと看護師さんがちゃんとみてくれる」などと返しました。
そして一番問題は入院中付き添いが出来ないのでほとんど会えないことでしたが、案外あっさりと
「ふーん。そうなんだ」「でも7回寝たら帰れるんだね」という反応でした。
ただ、『毎日欲しい本を届ける』という飴をちらつかせたからかもしれませんが。
(そのために2ヶ月ほど前から「欲しい」と言った本をメモしておいて、ストックしておきました!)
うちではそんな感じで伝えました。
Bさん(手術時期:6歳年長/男子/両側完全口唇口蓋裂/昭和大学病院)
息子はかなり怖がりなところがあるので、直前まで話しませんでした。
ちょうど死亡事故のニュースをみて、「怖い、死にたく無い」と、突然泣き出すが1ヶ月以上続いた時期でもあり。
ですから3週間前(術前検査の1週間前)に伝えました。
保育園にも具体的に休園する時期を伝えてるタイミングでもあったので本人にも伝える必要もあったのでギリギリのタイミングで伝えたことになります。
「すでに2回手術を受けているんだよ。(骨折もあるから実は3回)0歳1歳の赤ちゃんの時に頑張れたんだから今回もきっと頑張れるよ!。保育士さんも看護師さんもいるからさみしくないよ。」ということと、「あと、ipad持っていけるよ」が効果ありましたかね(笑)
そして家族会で会って以来交流のある子供たちを例にあげて「〇〇くんも□□ちゃんも同じ手術したんだよ。△△くんは来週するんだよ。次は息子くんだね」と送り出しました。
Cさん(手術時期:5歳10ヶ月/女子/両側完全口唇口蓋裂/昭和大学病院)
1年くらいまえからなんとなく「主治医の先生があと少ししたら治してくれるよ」とまずは入院とは伝えずに話しました。
半年くらい前の形成外科の外来の時に「歯茎を綺麗にするためだよ」とか、口蓋の時に一緒に入院して以来仲良しのお友達が今回の手術も同じ日になった!ので遊んだときに、子供同士で持っていくおもちゃの相談をさせたり「入院の時はママいないけど大丈夫だね!」など不安に思わないように少しづつ伝えていきました。
面と向かって話すよりはすこしづつ自覚する方が未知の恐怖心を感じなくてすむのかもしれないと思いました。
あとは私自身は口唇口蓋裂ではないのですが「ママも入院して小さい頃治したの?」と聞いてきたので
経験はありませんが、とっさに「そうだよ!だから大丈夫!」と答えました。
後にママは違うことを言ったと思ったとしても、その時は不安感を抱かせないように、手術と入院を乗り越えれられればと思っていました。
あとは自分だけ辛いと思わせないように「他の病気、同じ疾患で入院している子供はたくさんいるよ」と言ったこともありました。
Dさん(手術時期:6歳年長/男子/両側完全口唇口蓋裂/昭和大学病院)
うちでは『いつ』というのは明確に言えないのですが半年前くらいから通院のたびに「手術するよ」とすこしずつインプットしてました。
幼い子なので本人がどのタイミングで理解したのか微妙なところですが、あまりかしこまらず
日常の中で、日々の通院の延長(本人が構えないように)という感じで伝えました。
また、保育園や近所の子で手術したことがある子を引き合いにして「場所は違うけど手術しているんだよ。特別なことじゃないよ」というようにもそれとなく伝えていました。
口唇口蓋裂に対しては、幸いレオナインで子供同士遊んだりオンラインで接したことがあるので、そんなに珍しい疾患ではないと思っていて、どこまで理解しているか、どう理解させるべきかは今も悩み中です。。。
Eさん(手術時期:未定/10歳女子/右側完全口唇口蓋裂/松坂済生会病院)
うちは手術はまだなのですが既に伝えてあります。
8歳の時に口腔外科診察で骨移植の話をされた帰りに「手術するの?」と聞かれたので
「上の歯がきちんとキレイに生えやすいように、ここに骨を少し入れてもらうよ」と伝えました。
「痛いよな?痛いのはちょっとイヤやな」という反応でしたので「痛かったら痛み止めの薬かもらえるから大丈夫やよ。痛いのも手術の次の日だけくらいやし」と返したら少し安心したようです。
うちは顎から骨をとりたいということで今は成長を待っています。
口唇口蓋裂については改まって伝えたのではなく、私も口唇口蓋裂なので娘と2人で鏡の前にいたときになんとなく「娘ちゃんはお口がくっつかず産まれてきたんだよ。赤ちゃんの時に3回も手術がんばったよ。おかあさんと同じ。おそろい」と伝え、あとは『チーちゃんのくち』を2人で何度か読みました。
Fさん(手術時期:小学3年の夏休み/9歳男子/左側完全口唇口蓋裂/長崎大学病院)
まだ来年に手術になるのですが、小学校に入学したくらいから「次の手術いつだろう?」と話していて
先生から去年の受診時に聞いたので「3年生の夏休みだよ」と伝えました。
そして本人、何故か手術と入院が楽しみ!?なようです(笑)
手術の内容は一応「歯並びきれいにするために上の穴をふさんぐんだよ」と伝えてます。
口唇口蓋裂についてはハッキリとは覚えていませんが4,5歳の時に子供たちの小さい頃の写真を「かわいいね〜♡」と見せていたら
本人が「口痛い痛い」みたいな感じで言ってきたので
「違うよ〜息子くんは産まれた時からだから痛く無いよ〜。みんなと違う特別で産まれたんだよ」と伝えました。
それ以来「自分は手術頑張った!人と違う!」と誇らしげに自慢します(笑)
Gさん(手術時期:6歳小1/女子/左側完全口唇口蓋裂/北海道大学病院)
去年の7月に手術だったのですが、4月くらいに「腰の骨を歯茎に移植する」とそのまま伝えました!
本当はもう少し手術近くの6月に話すつもりだったのですが、病院で先生と手術の話になって
「手術するの!?」とバレてしまったので予定より早くなってしまいました。
娘は3歳の時の咽頭弁形成手術で喉を切った痛みがしばらく続いて、水も飲めないくらいひどかったのでその恐怖がよみがえり、母子分離不安やチックが出てしまいました。
ちょうど就学して環境がガラっと変わったストレスとも重なったのもあると思いますが。。。
分離不安が出た時は、習い事や学校は付き添い可能なら付き添い&送り迎え。あまりに不安定だと思えば休ませる。
学校に関しては、担任の先生はかなり協力的でしたが、小1だったので慣れるまでリズムを崩さない方が良いとのお考えで、最初は欠席には否定的でした。
ただ、そもそも口唇口蓋裂の手術に関しての知識があまりないこと、小学校では個別のフォローに限度があると思ったのでスクールカウンセラーの先生からその旨を伝えていただき、担任の先生につなげることができたと思います。
まだ6歳ながら、早退や欠席に罪悪感を持っているんだな、と本人の言動から度々かんじることがあったので「悪いことをしてるわけじゃないのだからそんな風に思う必要ないよ」と話したり早退して美味しいものを食べに行って気分が明るくなるようにしたりしました。
あとは学校やお友達と縁遠くなると治ってから行きづらくなると思ったので、友達には体調治ったと言って(笑)放課後は公園に通いまくり、本人の気を紛らわせるためにもとにかく友達と遊ばせました。結果友達も増えて良かったです。
Hさん(8歳女子/左側完全口唇口蓋裂)
うちでは診察で手術が決まった度に本人に伝えています。本人が一番不安だろうし、知りたいだろうから。
手術をしない場合、体が成長するにつれて自分にとって何か困るのか、手術した後のメリットも伝えます。
年中から年長にかけて産まれた時の自分の写真を何度も見返す時期があり、その頃から口唇口蓋裂の話をしています。
唇裂修正手術が決まった時は、緊張している雰囲気で特に嫌がらなかったです。
ですが、術後、全身麻酔の副作用が酷くて嘔吐が止まらず、それがかなり辛くてトラウマになったようで…
顎裂移植手術の時は「痛いの嫌だ、また吐くと思うと怖くて嫌だ」と手術日が近づくにつれ、不安を吐露することが増えました。
けれど本人も手術をしないと大きくなってから困ることを子供ながら理解していたので、私の対応としては「そうよね、辛いよね、嫌よね。」としたすら娘の話を受け止めてました。
あとは娘が自分の手術を納得して受けてもらうために、先生から術前説明をしてもらったあとに本人が何となくでも分かるように何度か説明しました。
Iさん(手術時期:小学4年生/女子/左側完全口唇口蓋裂)
私自身の体験です。
小学校4年生の夏休みに手術しましたが、その前に母から「矯正に必要な手術で、土台が足りないから骨を移植するよ。」とあったと思います。
矯正が小学校1年生からだったので、なんとなく診察の度に先生の話や必要性を感じていましたから、「いよいよ手術なんだなぁ」と感じました。
イヤな感じもなく、「東京の病院に1人で入院して何をしたらいいかなぁ」とか「お母さんは大変だろうなぁ」とか手術とは違うことを考えていたのは覚えています。
息子と娘が同じく口唇口蓋裂ですが、通院の時に(車で1時間半かかるので)
「今後まだ手術があること」「入院しなきゃならないこと」をゆっくり話をしています。
Jさん(手術時期:6歳小1/女子/左側完全口唇口蓋裂/慶應義塾大学病院)
入院して手術をするということは、手術日が決まった頃には本人も理解してました。主治医が説明したから何となくという感じで。
産まれた時のこと、何で手術するのかというのはクレピア(Instagram @cleftpeers)の絵本メーカーを使って、入院の一週間前に産まれた時の写真を見せながら話しました。
「お腹の中にいた時に、唇と歯茎のところがくっついてくれなくて、赤ちゃんの時に最初の手術をしたんだよ。
今度は大人の歯が生えてきやすくして、お姉ちゃんがやっているみたいに歯がキレイに並ぶようにする矯正が出来るようにするために腰から骨の赤ちゃんをとって歯茎のところにいれてあげる手術をするからね。」
(姉が小児矯正でプレートをしているので矯正がどのようなものか少し理解しているようです。)
というような話をしました。
手術に関しては、私が付き添い入院をするからかあまり不安もなかったようで「ふぅーん」って感じでした。
口唇口蓋裂であることについては「何で自分だけ?」と言っていたので、「インスタで交流のある子も同じであなたもみんなも頑張ってるよね?あなたの手術もみんなが応援してくれるからね」と話したら「がんばる!」と。
どこまで理解しているのかは不明ですが…。
最近は術後にしているレティナを外し忘れて学校に行ってしまい、お友達に「なにそれ? と言われて恥ずかしかった!」と怒られました。
お友達になんて言ったのか聞いたら「手術したからだよ」って答えたらしく、疾患の話までは出来ないものの、ちゃんと答えられた娘の成長を感じました。
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