出産したときのこと。そして今伝えられること。


  • 2023年7月9日
  • LeonineAdmin

あきなし、と申します。茨城県在住の33歳です。

 

【出産した時のこと】

子供は2人いまして第一子が右不全口唇顎裂でした。分かったのは出産当日でした。

エコーの段階では後ろを向いているか、口元に手があるかで顔全体が見えることはありませんでした。今振り返ると、「あ、なんとなく割れてるかもな?」という画像はありますが、妊娠期は「あー!ようやくちょっぴり横顔見えたわー!」と全く気づかず、先生からの指摘もなかったです。

産後の瞬間の気持ちは、驚きと駆け巡るこれから(手術、術後の生活等)と、とりあえずお母さんになったのだから泣いてはいけない!という気持ちでした。しかし、お母さんになったんだからという最後の気持ちに関しては「いやいや、大変なことに直面してるんだから泣いても良いこと」と思い直して子供が目の前にいない時にだいぶ泣いた記憶があります。

ちなみに夫は全く悲壮感もなく、先生から言われた「手術をすれば大丈夫」を信じ、ただただ真っ直ぐに子供を可愛がっていました。

 

【子供の障害の受容】

実は元々そういった障害があることは知っていました。ただ、我が子にそれが降りかかるとびっくりしてしまって。これが子供の障害に対して受容できたと言えるかは分からないんですが、周りに対して戦闘体制をとるような気持ちがなくなったのは、生後7ヶ月くらいだったかと思います。

夫も私も障害を隠すものではない、という考えがあって術前も一般的な赤ちゃんが行うイベントや場所には連れて行った記憶があります。お食い初めもお宮参りも術前でしたし、買い物も言わずもがな一緒です。そうするとどうしても道ゆく人から「あ、うちのことだ」と分かる声が聞こえてきて。術前は二度見されたり、小さい子からはストレートに口が繋がってないねと指をさされたり。術後はレティナという鼻栓のようなものを鼻にはめてテープで固定して過ごすので、それもまた目立つので『どうしたの?』と聞かれるイベントが起こりました。大体は、このような障害があることをさらっと説明していました。1人でも多くの人に知ってもらって、当たり前にしたかったので。…今思うとメンタル強いですね。笑

大体の方は理解してくれるんですが、中には『可哀想に…』なんて言う人もいます。私自身は祖母と…あと子育て支援センターにいた男性でした。そんな風に言われるとリアクションに困るのと「うるせぇな」って怒りと悲しみが湧いてしまって。なのでこの時点ではまだ受容できてなかったのかなと思います。

ただ、事前に口唇口蓋裂のあるお子さんをお持ちのお母様方のブログを読み漁っていたため、術前術後共に上記のような体験を皆さん乗り越えてらっしゃることを知っていました。なので遭遇した時は「はいはい、きたきた、通過儀礼!」って心の中で唱えやり過ごしていました。そんな通過儀礼がなくなったのが、レティナが外せるようになった生後7ヶ月ごろでした。

そこでようやく周りに対してのバチバチしたら気持ちのようなものが落ち着いたので、そこが受容出来た時期だったのかなと考えます。

 

【口唇口蓋裂の育児】

育児で困ったことや辛かったことは主に、『直母が難しかったこと』『術後のレティナの管理』『保活』の3つです。私自身がまず母乳が出にくかったことと、口唇裂で咥えるのが難しかったことがあって。
新生児の頃の夜間帯の過ごし方が おむつ替え→母乳→ミルク→ゲップ→寝かしつけ→哺乳瓶洗浄→母乳量を増やすための搾乳… なんてことをしていました。

今思うと頑張りすぎって分かるんですけど、当時はせめて母乳くらいは!って思いが強くて。でも、術後はすっぱり母乳を諦めました!付き添い入院しながら搾乳を頑張ってたんですが、偏頭痛が悪化して薬なしでは乗り越えられないのと、搾乳できなければ母乳の量も減ってしまってもう潮時だなと。結果ミルクにしてずいぶん負担がなくなったので正解でした。

術後のレティナの管理は、小さい子を泣かせながらのレティナ固定に罪悪感があったり、夜に苦労して固定しても朝レティナが取れてたり…赤ちゃんって器用なんだなと思いました。ほっぺも荒れるし…ほっぺ荒らさないためにめちゃくちゃ調べて、その辺では売ってないものはもっぱら通販してました。

保活では、1歳の子の歯磨きをしてもらうことが課題でした。骨移植をする際に虫歯があると移植したものが溶けてしまうと聞いていたため虫歯だけは防ぎたく、保育園に協力をしてもらう必要がありました。恐らく理解は得難いと想像がついたので、主治医に歯磨きの必要性を記載してもらった診断書のようなものを作成していただき保活に臨みました。保活をすると「歯磨きは早くて4歳、遅くて6歳からしか歯磨きは行っていない」という保育園が私の住む自治体では多かったです。保活中、「1歳の子に歯磨きはできない」「危険ではないか?うちではできません」と言われ、「できますよ」と言われ入園を決めたのに説明会で「できるかできないかは相談になります」と言われたり、その辺りは辛かったです。最後の園に関しては入園前に転園を決め、対応してくれると言った園にお願いしました。

大変だったことを長々書いてしまいましたが、逆に楽しかったことは、オペ先への通院です!距離が遠かったので、必ず前泊になることから、軽い旅行でしたし、実際動物園に行ったり、鉄道博物館へ行ったりして私も子供も楽しんでました。

そのほかは、普通の子育てとなんら変わらないような幸せをもらってます。この前子供から突然「ママ大好き」って言われて泣くかと思いました。

 

【今妊娠中、出産したばかりの方へ】

諸説ありますが、1/500で口唇口蓋裂になるってほんとうかな!?って思うくらいに、私はそれまで会ったことがありませんでした。普通の育児にプラスして、抱える悩みが1/500の例なので相談先がなかなか見つからず乳児期は特に悶々とした記憶があります。虫歯にさせないために小さい頃からやっている歯磨きすら、びっくりされることがありました。
そんな中、インターネットを通じて同じように口唇口蓋裂のお子さんを持つママさんと会ってどれだけ心が軽くなったか。

これから出産を控えてる妊婦さん、これからオペを迎えるご家族の方はぜひ、家族会やネット上での交流をご検討ください。
私自身はブログを通じて県内のママさんと繋がりました。1/500のアルアルに、皆さんぶち当たってるので、分かるー!って共感してくださいますし、心強い相談先になってくださいます。

 

1人ではないです。一緒に頑張っていきましょう!

 

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