口唇口蓋裂の治療との付き合い方(後編)~平山由香さん(『ほほえみの会』代表


  • 2021年2月23日
  • LeonineAdmin

2020年11月28日に開催されたオンラインcamp(交流会)のゲストは、広島で活動していらっしゃる口唇口蓋裂の会『ほほえみの会』代表で、ご自身が口唇口蓋裂患者でもある平山由香さんでした。治療のこと、修正手術のこと、思春期のこと、様々なお話をしていただきました。当日のトークセッションの内容を公開いたします。<後編>

(前編:http://leonine-clap.org/hohoeminokai-hirayamasan1/

 

ーーご家族との関係はどのような感じでしたか?

 

平山さん:親子関係は良好で、小さい頃から父も母も特別扱いをしませんでした。「病気だから」というのはなく他の子と同じように普通に育ててくれました。そもそも母は産婦人科の看護師だったので、生まれた瞬間すぐに分かったようで、初めて見るとショックだし受け入れるのに時間がかかると思いますが、その点母は慣れもあり受け入れるのも自然だったようです。

また母は手紙や誕生日ごとにメッセージカードをくれたり、色々なことをしてくれました。自分としては愛されて育ったと分かるし、普通の子と同じ環境になるようにしてくれていましたね。父は仕事熱心であまり家にいませんでしたが、ある日母に「お父さんが泣いているところを見たことがない」と伝えると「あなたの最初の手術の時に泣いていたよ」と聞いて、父なりに考えてくれていたんだなと思いました。仕事で帰りは遅いけれど私が困らないように、苦労しないように環境を整えてくれたり、お金の面でも頑張ってくれていたと感じています。

 

ーー思春期での14歳の骨切り手術はかなり辛かったと思いますが、その際ご両親からかけられた言葉、サポートがあったら教えてください。

 

平山さん:私の場合は特殊で、4日間もICUにいました。その間、母が受け答えをしてくれ、付き添ってくれました。「辛いことがあったら、言いなさい」と明るい母ですが、陰で泣いているのを見ました。母もストレスで円形脱毛症にもなっていました。母も悩んだことがすごくわかって、それを見て自分もくじけていられないと思いました。母も、私の姿を見て励まされていたと言ってくれたので、支え合った感じですね。

 

ーー思春期のとき、周囲とは何かありましたか?

 

平山さん:小学校のときは鼻の傷のせいで鼻水女といじめられたこともありましたが、母が担任の先生に全部話してくれていたので先生も守ってくれたし、小学生にもなって他人の容姿を悪くいうことは口唇口蓋裂に限らずダメなことなので、先生も注意してくれたり周りのフォローもあり、自分として前に進めました。学校の先生を巻き込んでいくのが良いかなと思います。

 

ーー中高生の頃はすごく気にしたと思います。隠すメイクなどはしましたか?

 

平山さん:何もしませんでした。学生の時はメイク禁止だったということも理由にあります。でも、髪型などで隠していました。

 

ーー現在は医療用のメイク用品等も開発されてきています。あったら使いたかったですか?

 

平山さん:あの当時にあれば使いたかったですね。口唇口蓋裂は上顎の成長が悪く、しゃくれているように見えてしまいます。私も、しゃくれているようになっていたので、気にしており、写真を撮る時はピースサインなどで隠したり工夫して乗り切ってました。

 

ーーご結婚される時、相手の方にはどのようにお伝えしましたか?

 

平山さん:付き合って1年位した頃、相手に言わなければ…と思い、散々悩んだ挙句に全部伝えました。自分の病気のこと、傷のこと、将来遺伝する可能性があることを伝え、いやなら別れてくださいと泣きながら伝えましたね。主人は命に別状はないこと、大人になれば誰でも傷くらいあるし気にしないと言ってくれ、気持ちが楽になりました。結婚してからは、2人とも絶対子供が欲しいというわけではなく自然に授かれたらそれはそれでよいかな、という感じでした。でも私としてはできれば遺伝してほしくないと強く思い、妊活の段階からたばこやお酒、食生活など基本的なことを整えました。原因不明とはいえ、できる限り発生を抑えるために環境を整えたり、初期に葉酸を取るなど、遺伝以外の要因を排除することに努めました。それでも遺伝したら、2人の子どもだし愛していくことは変わりなく、不自由のないように全力で守り、何があっても頑張ろうと2人で話しました。

 

ーー遺伝したことが分かったとしても、出産しようと思いましたか? 分かったら諦めたいという当事者の方もいる難しい問題です。

 

平山さん:受け入れて出産しようと決めていました。結果、子供には遺伝していませんでしたが、今後どうしていくか、2人目は少し壁があると感じています。

 

ーー相手のご家族にも説明しましたか?

 

平山さん:主人が「2人の問題だし、どっちでもよいよ」と言ってくれたのと、そもそも話して何か変わるような人たちでもないということで、主人の両親には話していません。

 

ーーレオナイン参加者は0~7歳くらいの子どものママが多くて、母親は本人にどう説明したらよいか? という悩みがあるのですが…

 

平山さん:成長するにつれ人とは違うということが分かってくると思いますが、隠したり濁されたりすると「聞いちゃいけないんだ」と感じてしまうので、本人からすると正直に伝えてほしいなと思います。今は絵本もあるので「あなたは病気なんだよ」というのではなく「お腹の中でくつかないで生まれたから先生が治してくれたんだよ」と説明できると良いと思います。小さいうちからちゃんと伝えてあげると、人に聞かれても「先生が治してくれた」と隠さずオープンに小さいなりに伝えることが大切ですね。子供でも分かるので正直に伝えてあげてほしいと思います。

ただ言えるのは、隠していてもいずれバレてしまうので必ず伝えてくださいね。後から知った時の衝撃はすごいです。本人はすごく悲しいです。『ほほえみの会』の方で25年間隠し通されていて、ある日他人から言われて知った人もいます。小さい頃に転んで怪我をしたと言われていたのですが「あなた、口唇口蓋裂だよ」と言われたそうです。「早く言ってくれたら、治療だって選択肢が増え、自分でできることも増えていたと思う。もっと若い頃の、人との接し方とか、隠す人生だったので変わっていたかもしれない。隠されるのは悲しい。」とおっしゃっていました。親や友達との関係性、年齢にもよりますが伝えてほしいです。

 

ーー伝え方として、リアルに「口元がくっついてなかったんだよ」と伝えるかなども悩みますね。私の場合は、口唇手術前の写真を残しておいて、本人に見せています。本などの方がソフトに伝わって良いでしょうか?

 

平山さん:その方が良いのかは、子と親の関係性、年齢にもよると思います。ただ写真も良いですが、兄弟はびっくりする可能性もあるので段階を踏む必要はあると思います。本は良いのかもしれませんね。

 

ーー確かに本は一つの良い手段ですよね。あとは『ほほえみの会』など対面の交流会を活用して色々な人に会いにいくことも大事かと思います。コロナが収束したら是非集まりたいですね。

本日はありがとうございました。

 

平山さん:ありがとうございました。

 

 

 

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