はじめての口唇口蓋裂


  • 2017年3月15日
  • Harumi Koyama

私が初めて口唇口蓋裂という疾患を知ったのは中学生の時でした。

小学校の頃、ひとつ上の学年に鼻の下に傷跡がある男の子がいました。

 

なんの傷だろう?事故かな?

それにしても綺麗に鼻の下切っちゃったんだなあ。

 

くらいの思いでした。

そして中学生になりインターネットに触れることが増え、ふとそのひとつ上の先輩のことを思い出しました。

 

「鼻の下 傷」

と検索するとヒットしたのが口唇口蓋裂でした。

 

びっくりしたり、うわぁ…と思ったりせず特に何も思いませんでした。

こういう病気があるんだなあ、程度です。

そしてその先輩のこと、口唇口蓋裂という疾患のことを忘れて生活していました。

 

23歳になったとき16歳から付き合っていた主人との間に子どもが宿り、結婚。

その子どもが我が長男、右側不完全の口唇口蓋裂児でした。

 

妊娠6ヶ月の時、初めて見せてくれた顔のエコーですぐにわかりました。

先生もすぐに気付いたようで深刻な表情に。

主人は全く気付いておらず、「顔が見えたよ!!可愛いね可愛いね」と連呼していました(笑)

 

すごく言いづらそうにしている先生に「口唇口蓋裂ですね」と私が声をかけると「わかりましたか?」と一言。

 

その後の会話はあまりおぼえていませんが、悪い意味ではなく私にとってはいつも通りの診察、いつも通りの会話だったのでどんな話をしたっけなあ?という感じ。

 

ただ、先生がすごく言いづらそうに言葉を選びながら話をしてるのを覚えています。

でも私は笑っていました。

口唇口蓋裂だと言われても何も、本当に何も気にしませんでした。

顔が見れたことが嬉しくて。

 

というのも、私も主人も身体改造が好きで顔や身体にピアスをあけていたり、タトゥーが入っていたり、髪がカラフルだったり…

人の視線を気にせず、世間一般の「普通」「皆同じ」という感覚は持ち合わせていませんでした。

 

だから少しだけ人と違っていても何も気にせずエコー写真を見ながら

「うさぎみたいで可愛いね、◯◯(主人の名前)似だね!」という会話をしたのを覚えています。

 

 

予定日超過で産まれてきた息子、私はわりと小柄なのですが育ちに育った息子は4070gでした(笑)

吸引分娩で産まれてびっくり巨大児でした。

 

巨大児、黄疸、口唇口蓋裂とのことで糖尿病検査の為NICUへ入院。

 

小さな赤ちゃんが並ぶ中、1人だけサイズ違い…(笑)

規格外のサイズ感がとても可愛かったです。

そして生後半年で口唇裂、1歳3ヶ月で口蓋裂のオペを終え現在は1歳8ヶ月になりました。

口唇裂としてお腹の中で育て、口唇裂のエコー写真を見ながら、産まれてからも半年間口唇裂の顔を見て愛おしく思っていました。

そしていざ口唇裂のオペをして顔が変わってしまうと、寂しくて寂しくて退院後によく1人でシクシクと泣いていることもありました。

「◯◯(息子の名前)じゃないみたい。◯◯じゃない。」と主人に泣きついたこともありました。

口唇口蓋裂に産まれてから唯一、否定的な言葉を息子に言った瞬間でした。

 

私たち夫婦が気にしていないことが将来、息子の枷にならないか心配になる時があります。

人に何か言われた時、年頃になった時、口唇口蓋裂という疾患に、その個性を悩ませてしまう時がくるのでしょうか?

 

是非、今10代や20代の方達のお話が聞きたいです。

親御さんから言って欲しい言葉や、こういう悩みがある。などたくさん知りたいです。

どうして普通に産んでくれなかったんだ、と呟いている子を見かけました。

そういう気持ち全て受け止めたい。

その覚悟で口唇口蓋裂児の母をやっています。

 

はじめての投稿なので読みづらいかもしれません。

でもこれが私の気持ちです。

 

“はじめての口唇口蓋裂” への1件のコメント

  1. 私も同じです!
    口唇の手術を待っていたのに、いざ手術が終わるとなんだか寂しくて。
    頑張って手術したのに、そんなこと思ったら次男に申し訳ないと罪悪感もありました。

    でも口唇裂含めて愛おしかったの、本当に同感です。
    今は今の息子の顔が一番好きですけど(^^)

    親が気にしていないことは一番良いように思います。
    一番身近な親がい気にしてると子供も気にしてしまう気もするので。
    でもここはお年頃の子たちに是非聞きたいですね。

    素敵な体験談をありがとうございました!

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