モモマミーの食と口のお悩み相談室vol.3


  • 2019年10月4日
  • Leonine-staff
口唇口蓋裂児ママたちから寄せられる食のお悩み。
毎日仕事に子育てに料理に励む、管理栄養士のモモマミーが、栄養だけじゃなく、お口の観点からもアドバイス!
今回は幼児にとっても大事な咀嚼のお悩みです。咀嚼って口だけじゃなかったんです!

今回のお悩み

右側完全口唇口蓋裂の3歳4か月男児ママです。

とにかく噛まないです。
顎の発達のこともあるので噛んで欲しいのですが。。。アドバイスお願いします。

 

モモマミーのお返事

こんにちは。モモマミーです。

今回のご相談は「噛まない」ということですが…我が家もかなり悩まされました。

しかしこの問題は、口唇口蓋裂児だけでなく現代児の特徴といえます。

近年、食環境の変化により柔らかく食べやすいメニューが増えました。

柔らかい食べ物は口を上下に動かすだけで、歯茎・奥歯をあまり使わず顎周りの筋肉に刺激が届きにくいのです。

顎を横に広く成長させるには歯茎や奥歯をしっかり使い、口を横に動かすことが大切です。

顎が大きく成長するタイミングは①乳歯が生える時②永久歯に生え変わる時です。

乳歯に比べて大きい永久歯が生える時のためのスペースを確保するためにも3歳~4歳くらいから「噛むこと」を意識づけていきましょう!

 

まずチェックしてほしいのは「食べる時の姿勢」です。

しっかり床や台に足がついていますか?

食事をする時、足がぶらぶらしていると踏ん張れず、噛む力が分散してしまいます。

また身長に合っていない椅子は食べる時の姿勢が悪くなるので食卓が子供のおへそと胸の中間の位置にくる高さの椅子にしましょう。

(高さ調節用の幼児用クッションなども販売されています)

 

次に声かけ方法です。

噛んでほしい時「モグモグ、カミカミしようね」と伝えることありますよね。

今これを読みながら口を動かしてみるとわかるのですが、モグモグ・カミカミでは口を縦に動かしているだけなのです。

歯茎や奥歯で食べる練習をする際の声かけは「アギアギ」がおすすめです!

アギアギの方が、口が横に動くので食べ物をすりつぶす動きを学びやすいのです。

ぜひ一緒にアギアギと言いながら食べてみてください。

 

さらに噛むことが楽しくなるような工夫として「咀嚼音」を聴いてみましょう!

子供の頬に耳を当て、

「噛んでいる音聞かせて~」

「お母さんのも聴いてごらん?どんな音がする?〇〇くん・〇〇ちゃんもやってみる?」

と声かけをしてみましょう。

食べ物を噛んで音が鳴る、食材によって音が違う、子供にとっては楽しい食経験となります。

「ちゃんと噛みなさい!」と言うことが多かった我が家も上記の方法で噛んで食べるようになりました。

 

調理法の工夫としては料理に様々な食材を混ぜると噛む回数を簡単に増やすことができます。

(例:ご飯をひじきご飯にする、ケチャップライスに鶏肉の角切りを入れるなど)

混ぜることにより約3回咀嚼を増やせるというデータもあります。

 

今回のレシピは「シャキシャキれんこんハンバーグ」です。

柔らかさの中にシャキシャキとした食感があるので、おすすめです!

是非お試しください!
 

『シャキシャキれんこんハンバーグ』

 

【材料】幼児2食分

・合びき肉/60g

・レンコン/40g

・玉ねぎ/20g

・パン粉/大さじ2

・牛乳/大さじ1(乳アレルギーの場合豆乳で代用可)

・塩/ひとつまみ

 

【作り方】
①玉ねぎをみじん切りにし、耐熱容器に入れ600Wで30秒加熱する。

②れんこんは皮をむき5~7ミリ角に切り水にさらす。パン粉は予め牛乳に浸しておく。

③ボウルに材料をすべて入れ、よく混ぜ成形する(レンコンを入れる際は水をしっかり切ってから入れてください)

④フライパンに油(分量外)を薄く引き、火をつけていない状態で成形したハンバーグをのせる。

 中火で片面5分、裏返し蓋をして4分蒸し焼きにし、しっかり中まで火が通れば完成です。

 

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モモマミー/プロフィール

左側完全口唇口蓋裂の女の子のママ。

管理栄養士+離乳食アドバイザー+幼児食アドバイザー、医薬品販売関連の資格保有。

特定保健指導や離乳食相談イベントなどの経験を積み、企業コラボレシピ作成、

歯科医師・歯科衛生士チームによる418(ヨイハ)プロジェクトにてコラム執筆。

「口唇口蓋裂の子供と親の食と口の悩みを少しでも解決したい!」と日々奮闘。

instagram/@momo.meal

 

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