産まれる前にできる「心と治療の準備」 ~パパ編


  • 2018年12月9日
  • Leonine
妊娠中に口唇口蓋裂がわかったお父さん。「不安にさいなまれる妻を前に不安にばかりなってもいられない。」
出産前にできることや、その時の気持ちなど、素直な体験談をいただきました。

『口唇口蓋裂』という疾患を医師から伝えられた時、正直どんなものなのかまったく想像もできず、

ましてや上の子が元気に産まれてきていることもあって、

先天性の疾患を持って自分の子どもが産まれてくるなんて思ってもみなかった。

 

医師から疾患の告知の後、その病院では産むことはできるけれど子どもが哺乳をできないなどの問題があればすぐ転院することになる、

その後の口唇口蓋裂の治療自体もその病院では受けられないという状況がわかり、どうすればいいんだと不安になった。

しかし、自分以上に不安にさいなまれている妻を見て、不安にばかりなってもいられず、何とかしなければと思った。

そんな中で幸いにして、出産もその後の治療もしてもらえる病院が見つかり、将来の子どものことまで考えると、

出産前から行くことがベストな選択であろうと妻とも一致し、早々と転院を決めた。

 

『口唇口蓋裂』という疾患について、周りに聞いてまわる妻とは違い、

最初の頃は自分の周りの人や、自分の親にもなかなか言いづらかった。

ただ、医師からの治療などの話しから、徐々に受け入れられていき、出産頃には周りにも言えるぐらいまでにはなった。

産まれてきた日は今でも覚えている。すぐにNICUの子どもとはゆっくり会えない妻とは違い、

産まれた我が子を写真やカメラにひたすらおさめ、長くNICUにいた。

口唇口蓋裂はあったものの、元気に産まれてきた我が子に嬉しかったのだと思う。

産まれてくる前に、ネットなどで見ていた口唇口蓋裂の写真に対してショックを受けていたのだが、

想像していたほどでもなかったということもあったのだと思う。

あまりにも長くNICUにいたため、様子を知りたかった妻からは、あとから何をしていたんだと言われてはしまったのだが。

 

どんな先天性の疾患も同じだとは思うが、産まれてくる前に疾患がわかったことは、

出産までに心の準備や治療の準備ができるという意味で良くはあるものの、

考えられる時間が逆にいろいろな不安を持ってしまうようにも思う。

ただ、自分たち夫婦にとっては、早めにわかった方が予定を立てられる安心感があったので、良かったなと今では思う。

コメントを残す