小児歯科医に聞く「萌えはじめの歯」のケア


  • 2017年5月1日
  • Leonine
一般的に口唇口蓋裂のあるお子さんは、顎裂の影響で歯列不正を起こしやすく虫歯にもなりやすいと言われています。
顎裂部分の歯磨きがし難かったり、口蓋裂の術後に歯のケアが不十分だったり、気を付けていても虫歯になりやすいのです。
本コラムでは、小児歯科の先生に口唇口蓋裂の子どもの歯のケアについて聞きます。今日からぜひ初めてみてくださいね。

萌え始めの歯の磨き方、おすすめの歯ブラシや歯磨き粉は?

歯のお掃除の習慣付けは、歯が萌え始めた時から始めましょう。

最初は授乳後にガーゼでミルクを拭き取る程度で良いでしょう。

上の前歯はミルクのたまりやすい場所なので効果的です。

 

上下のは歯が6本程度萌そろったら、ヘッドが小さくネックの長い仕上げ磨き用歯ブラシを使って磨きましょう。

磨く時は赤ちゃんをお母さんの膝にあおむけで寝かせて磨きます。

上唇はお母さんが指でよけて歯が良く見えるようにして磨きます。

 

顎裂部に萌えた歯は小さく歯ブラシが届きにくいので、タフトブラシを使うと良いでしょう。

歯磨き粉は歯ブラシの使用が始まった時から使えます。

フッ素入りのものを使ってください。

3歳までは米粒大、3歳以降はグリーンピース大が量の目安です。

 

▼タクトブラシってこんなもの。隙間まで磨けます。

 

フッ素塗布が効果的。自宅ではキシリトールタブレットも!

萌えたての歯は虫歯になりやすいので、フッ素塗布が効果的です。

上下の前歯がそろい始める1歳程度を目安に、小児歯科医院で始めてください。

一般の方が購入できる商品もあるようですが、塗布量や頻度が確実に把握できません。

歯科医に塗布してもらうことをお勧めします。

 

定期的な歯科医院でのフッ素塗布と同時に並行して、ご自宅では100%キシリトールのタブレットの摂取が効果的です。

3歳からを目安に歯磨き後に与えてください。

お子さんによってはお腹がゆるくなる場合があるので、注意して使ってください。

 

▼各社から出ているキシリトール入りタブレット(参考)

 

口蓋裂の手術後に虫歯になるケース多数。術後の歯のケアはどうする?

手術の状態によって歯磨きができない期間ができない期間が異なるでしょうが、通常1、2日磨けなくても、急に虫歯になることはありません。

もともとあった虫歯が進行する場合はありますので、食後にガーゼで汚れをふき取って手入れをしましょう。

水を頻繁に飲んだり、軽くゆすぐのも効果的です。

1、2日以上磨けない期間が続く場合は、タフトブラシで歯ぐきに触れないよう歯だけを磨きます。

 

※気を付けていた歯が虫歯にならないよう、術後の歯磨きについて主治医にも確認しましょう。

 

 

コラム筆者

きむら歯科 東京都多摩市

木村 実和子先生

日本とアメリカの歯科医師免許を持つダブルライセンスの小児歯科医

口唇口蓋裂のお子さんの歯科治療は少し特殊です。
近所の
かかりつけ歯科に通うだけでなく、定期的に専門歯科の検診を受けたほうが良いそうです。
日ごろからしっかりケアをするとともに、むし歯を早期発見し大切な歯を守りましょう! 

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