『口唇口蓋裂を共有するということ』後編 ～Leonine interview vol.3

ーー他に、恵里さん主体の『笑みだち会番外編』という主に成人の当事者の会を開催されていらっしゃいますが、
参加者の皆さんからはどんな感想がありますでしょうか。

 

恵里：　番外編を終えて参加して下さった皆様から頂く感想は有難いことに

楽しかったという言葉が多くて、私も凄く感謝しています。

元々お酒が大好きな私。

お酒や皆でワイワイすることが好きな同じ当事者の方は居るはずだと(笑)

本人の部が終わった後などでも少し打ち上げの意味も込めて開催出来たら

参加してくださった皆様に横の繋がりが出来たり

普段は言えないけれど少しお酒を飲むことで

嬉しいこと、悲しかったこと、辛かったことが

言葉に出来る方もいるんじゃないかなと思い、えみかさんに相談しました。

今は『笑みだち会』の申し込みの時に『番外編』もありますか？

と聞いてくださる方もいらっしゃって嬉しい限りです。

 

ーー是非参加してみたい！ですが、人見知りでそう言った会には興味があるけど行きにくい…

という方にアドバイスはありませんでしょうか。

 

恵里：口唇口蓋裂を持っていると元々の人見知りに＋αで

初めて出会う人達ばかりの環境に1歩を踏み出すことはあまりに不安が多いと思います。

私も今だからこそこうして番外編を主体でやらせて頂いていますが

(もちろん、えみかさんと共に計画しています)

えみかさんと出会う前や、さらに遡りまだ人と目を見て話せなかったり

口を開けて笑えなかった頃ならば主体どころか参加することも不安だったと思います。

みんなが笑顔で楽しそうで自分が行っても大丈夫なのだろうか…

場を暗くしてしまうのではないだろうか…

(元はとても人見知りで根暗な性格です、一応)

そんな事を考えたと思います。

私も色んな人に出会う中、えみかさんやシンガーソングライターのYOUさんに

出会う中で変わることが出来たのだと思います。

（YOUさんのコラムはこちらhttp://leonine-clap.org/carrerchoice-vol-1/）

 

興味はあるけど行きにくいと思って下さってる方がいらっしゃることは嬉しいことです。

きっとまず不安を感じると思います。

私達は同じ病気の当事者の方々に日常生活で出会うことは少なく

まずその環境にも慣れていないですし(笑)。

まず勇気を絞り出して是非えみかさんや私のSNSなどにその不安を伝えてみて欲しいなと思います。

きっと当事者同士だからこそ通じ合える何かを感じることが出来ると信じています。

少しでも不安の重さが0.1mgでも軽くなったら嬉しいなと思っています。

 

もちろん口唇口蓋裂を色んな方に知って頂きたいという思いや活動に対して

否定的な方もいらっしゃると思っています。

ポジティブの押し付けだと感じる方もいらっしゃると思います。

当事者の中には数えきれない傷を心に隠して生きている方も沢山いるはずです。

皆が一生懸命に生きてますから当然だと思います。

私の事を否定的な思いを持つ方々でまた新たなコミュニティが出来ればいいなとも思っています。

どんな形でも孤独を抱える方を1人でも減らせることが出来たなら

私は意味があると考えています。

 

 

ーー恵里さんが人見知りで根暗とは！

今の恵里さんしか知らない私としてはびっくりです！

恵里さんは音楽活動や創作活動など色々アクティブで社交的というイメージなんですが、

もしもアクティブになれた何かきっかけというか、考えの変化があったことなどあったら教えてください。

 

恵里：キッカケはきっと色々あったと思うのですがこのままでいいのかな、って想いが強くて、

変わりたい想いが強くて20歳の時、ちょうど専門学校を卒業して看護師として就職するタイミングに全ての環境を変えようと思い、東京に来ました。

自分のことを誰も知らない環境に飛び込んで、

とにかく色んな人と関わって笑って明るい自分を演じる(作る？)ということをトライしました。

そんな中で恋愛したり結婚したり(別れたり…小声)、色んな人に出会って大切な友達ができたり。
良いことも悲しいことも沢山ある中で今の自分自身が出来上がっていったんだと思います。

 

ーー小声のところ、非常に気になります！！！そこは『番外編』でってことですかね！？

…本題に戻りまして(笑)、社交的になったからと言っても

こう言った交流会を運営、サポートするのはなかなか大変ですが、原動力は何でしょうか？

 

恵里：原動力…そうですね。

言葉にするのは難しいですがやはりそこがまた自分自身の居場所になっているのだと思います。

えみかさんやえみかさんのご両親とお話していると私も優しい気持ちをもらったりしていて

笑みだち会の日はいつも暖かい気持ちを貰って帰ります。

最近は周りの保育士や看護師や児童福祉施設で仕事をしている友人達が会のfamilyの部で助けてくれたり

本人の部に来て下さる方々が何か手伝えることない？

との声をかけて下さったりしていて有難いし幸せだなぁと思っています。

 

ーーそういう気持ちで開催していただけると、参加する側も嬉しいです！

今後やりたいことなどはありますか？

 

恵里：やりたいことは本当に沢山ありますが

まずは1日1日を大切にすごせたらと思います。

子宮かんの手術から3年半が過ぎましたが、まだ体調的にも不安定な時や体力面で心配な時もありますし

気をつけなければいけない時期なので冒険はおさえてます。

本当はもっと沢山いろんな世界を見に行きたいところです。

そして音楽やアクセサリー作りを通じてまたご縁が広がったりしていますし

慰問コンサートで定期的に演奏させて頂いている場所でのおじいさまおばあさまの笑顔も

アクセサリーを手に取り笑顔になって下さったりイベントの度に逢いに来てくださる方の笑顔もその時々でパワーを頂いたりしています。

 

 

笑みだち会を支えていくために裏方としてももっと頑張っていきたいなと思っています。

familyの部では参加してくださる親御様が安心して来ていただけるように

子供達が楽しい時間を過ごせるように、サポートを固めていきたいですし

本人の部では、何かしら笑いをつくって参加してくださる皆様が話しやすい空気を作っていきたいです。

何より、えみかさんやゲストで来てくださるYOUさんが

皆様との時間をより長く持てるようにスタッフとしての動きを固めていけたらなと思っています。

 

ーーありがとうございました。

また是非『笑みだち会』に、そして『番外編』にも参加させていただきます！

 

恵里。twitter　@ERiiiii_1219

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小林えみかさん運営 口唇口蓋裂サイト「LIPS」https://nishiokatenko.wixsite.com/lips