「素直なキモチを風に乗せて」Vo4. 本当のことが知りたい
- 2017年4月11日
- Leonine
口唇口蓋裂とダウン症のお子様を持つ障がい児のパパママカウンセラーであり、積極的なパパの育児参加を推奨するファザーリングジャパンの会員でもある山本さんより、仕事、子育て、家事、夫婦関係、地域活動、趣味、全部欲張りに楽しむ秘訣を教わります!Vol.3で偶然奥様より先に知ってしまった口の怪我の事実。Vol.4は「本当のことが知りたい」(山本さんの奥様も口唇口蓋裂です)
Vo4.「本当のことが知りたい」
(前回の記事→Vo3.「妻の口は『けが』でなく生まれつきの疾患だった」)
妻が実は口唇口蓋裂であったことをボクは妻よりも先に知り、いろいろ想像しました。
妻は女性であること、30年前であるということは、
障がいや病気を持つことが、特別視されていた時代であるということ。
義理の母や父の性格やまわりの目・・・
隠し通したのなら、おじさんのボクに対する質問は、不用意のように思えます。
しかし、それは確認したというよりも、暗黙の了解で隠し続けたのかもしれません。
ここまでバレなかったのは、良い意味で妻が「鈍感」であったことも「幸い」したのかもしれません。
妻の一番小さい時の写真は6か月頃です。
だいたいうまれた時や直後の写真があるはずです。
結婚式の時にスライドで使った時、なぜかボクも疑問に思いませんでした。
母子手帳には、口唇口蓋裂に関わる文字は一切ないことをみると、
病院には記載しないことを懇願したのかもしれません。
生い立ちとして、自分が先天的な病気ではなく「義母の不注意」による傷だったとしたら、
妻が悩まなくてもいいように、義母は考えたのかもしれません。
事実を知ってから1週間くらい悩んだ後、
ボクは真実を伝えるという選択肢を選ぶことにしました。
隠し続けることは、自分の心に嘘をつくことになると思ったからです。
そして、妻が成人になるまで、人前でいつもハンカチで口を覆いながら生きてきたことを、
自分自身も考えようと思ったからです。
告知する際に意識したことがあります。
妻が(関係がそこまで良くない)義母を責めないよう
祖母の行ってきたこと、隠してきたことは、
精一杯の愛情であったと思えるためにどうしたらいいか。
ボクは、普段世間話をすることでさえ難しい義母に、
妻の生い立ちを確認することはできませんでした。
妻は、ボクからの告知を静かに聞き、少し動揺していました。
ここまで、一生懸命自分を育ててきてくれた両親には感謝するとともに、
でも、「なぜ、教えてくれなかったのか?」という疑問が残ったようです。
妻の場合は、自分がこれまでに悩み、傷つき、
嫌な思いをしてきた原因である「口のけが」の本当のことが知りたくてたまらないようでした。
▲写真に残っている妻の一番小さい時の写真(6か月)
(つづく)
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