上顎骨延長術 ~苦痛に見合う変化がある!
- 2017年4月27日
- Leonine
21歳、両側口唇口蓋裂の女子です。
私の中で口唇口蓋裂の治療で一番大きかった、
上顎を前に出すための治療、上顎骨延長術について書きます。
●初めに、これまでの治療について
生まれてから、手術は9回やったらしいです。
でも小さい頃から自分は口蓋裂だから手術やるのが当たり前という意識があり、、
内容と年齢はあまり覚えていません(笑)
覚えてる限りでは腰の骨を顎に移植したり、上顎を前に出す手術だったり、鼻の整形もしました。
でもどの手術もさほど大きいものではなく、全て1週間くらいで退院できるものでした。
歯の矯正は物心つく前からやってました。
おそらく生まれてからすぐに始めてたと思います。そして現在進行中です。
●上顎骨延長術について
私がやった上顎の手術は、上顎の骨を切りねじを骨に埋め込み、
ネジを回して顎を骨ごと前に出していく、というものでした。
高校三年生の夏休みにやったのですが、大きな手術なので何時間もかかります。
口蓋裂で一番大きな手術かもしれません。
顔も2倍近く腫れました。
骨に直接ネジを埋め込んだ影響で、喋り辛くなったり痛みがあったり、口内炎や口内粘膜のトラブルも増えます。
そして術後1ヶ月くらいは咀嚼が全くできませんでした。
あとネジは母親に回してもらっていたのですが、回す時にやはり痛みが伴います。
●装着期間
私は2年ちょっとの間つけてました。
でも辛かったり痛かったりするのはネジが巻き終わるまで(1ヶ月~2ヶ月)くらい。
その後は特に何もなく普通です(=゚ω゚)ノ
ネジを限界まで巻き終わると、ネジの先端を切り取ります。
すると装置は完全に粘膜の中に埋もれてしまうので、そうなると口の中からも見えなくなります。
●この治療に伴う変化
苦痛に見合う劇的な変化がありました。
ちゃんとした噛み合わせが生まれ、食べ物にがぶりつき噛みちぎるという行為が出来るようになり
(それまでハンバーガーやおにぎりはあまり好まなかった)、
もちろん見た目も良い方向に変わりました。
顎は明らかに前に出てしゃくれがなくなり、ネジを取り外す手術はとても楽でした。
学校の先生や友達に物凄く驚かれて、可愛くなった!めちゃ変わった!
と言われたのを鮮明に覚えてます。
あとは声が少し低くなりました(笑)
●この手術はどれくらいの人がやってるか
この手術が必要な人多いかどうかは分かりません。
ただ自分が知っている範囲では、口蓋裂の知り合い4人中、2人がこの手術をしました。
あと任意の手術なので本人がやりたくなかったり、やる必要性を感じてないなどの場合はやらなくても大丈夫です。
そもそも小さい頃からちゃんと正しく矯正を続けていれば、下顎と上顎の距離差は発生しないのでは?と思います。
私の場合は歯の生え変わりの時期に奥歯が一気に抜けてしまい、
上顎を前に出す矯正が長期間出来なかったために距離差が生じてしまいました。
●経過の写真
残念ながら写真がないんです(^^;;
嫌とかそういうことではなく、ただ単に一切撮ってないだけなんです。
私は治療を続けて手術するのが当たり前という概念があったので手術と入院が特別だとは思わず。
そのためこれといって記録を取らずにここまで来てしまいました(^^;;
●同じ手術をする人へ
人によっては本当に痛いし辛いと思いますが、それに見合った効果はあると断言出来る手術です。
ネジは早ければ1年後には外せます。
外す手術は全然辛くなくとても簡単に終わります。
何より見た目が明らかに変わり、顎そのものの機能も向上します。
上顎と下顎の距離差がある方は是非やって頂きたい手術です。
●口唇口蓋裂について今思うこと
中学校の頃に酷いイジメを受けましたが、過ぎてしまった今では何てことないただの記憶に過ぎません。
今は口蓋裂のことについては何とも思っていません。
むしろ私は親にも恵まれて、周りにも恵まれて、普通に高校に通って、普通に就職して。
いわゆる”普通の人”よりも幸せな人生を歩んでいると言えるほど充実した毎日を歩んでます。
見た目を全く気にしない人や、そういう差別がないコミュニティは絶対あります。
もし今苦しんでる方が早くそういう所に行けるようになると良いと思います。
タガッシュ@Twitter
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