口唇口蓋裂のお子さんを持つママパパへ<前編>~これまでの治療のこと~


  • 2018年7月30日
  • Leonine

第7回Leonine Campで当事者あんちゃんから、口唇口蓋裂のお子さんを持つママパパへメッセージをお話しいただきました。

参加者からもう一度聞きたい!という声が多数ありましたので、お話しいただいた内容をコラムにしました。

スタッフをはじめ多くのママが涙ぐんだメッセージを、Campに来れなかった方にお届けします。 <前編> 

自己紹介

みなさんこんにちは。

これまで誰かに自分の経験について話すことは一度もなかったのですが、

少しでも皆様のお役に立てたり、将来の希望に繋がればいいなと思い、お話させていただくことに決めました。

千葉県出身、平成3年生まれの26歳です。

口唇口蓋裂、正式に言うと両側唇顎口蓋裂で生まれました。

私は大学生になるまで自分の病気のことをほとんど知らず、そもそも病気とも思っておりませんでした。

小さい頃から何度も手術をしたり、入院したり、毎月通院したりしていたのですが、

怪我の治療くらいにしか考えておらず、全て親任せで、自分のことなのに自分では全くと言っていいほど関心がありませんでした。

なので小さい頃の手術の内容や時期に関しては、正直ほとんど記憶がありません。

 

周りの子と何も変わらない学生生活

私は小中高と公立の学校に通っていたのですが、特に治療のせいで学校に影響が出たり、

勉強に追いつけなかったりということもありませんでしたし、通院のために学校を早退したり、

欠席することもありましたが、そのことで非難されることもなく、周りの子と同じように普通に生活していました。

それから私立の大学に進学して、大学生になってアルバイトを始めて、メイクをするようになって、

顔の傷跡が気になるようになったのはその頃からです。

自分でインターネットで情報を調べて、初めて口唇口蓋裂という疾患がどういうものなのかを知りました。

 

口唇口蓋裂という疾患を知ってから

最初は修正手術というものすら知らず、高校生の段階で治療は全て終わって、

これ以上病院に通うことはないと思っていたので、傷跡を目立たなくする手術がないかと、

美容整形外科のHPを見たりしていました。

美容整形は保険がきかず、手術するのに莫大なお金がかかるんだろうなぁと思っていたので、

親にも相談出来ず悩んでいた時期もありました。

ある時勇気を出して一人で病院に行って相談をしてみたところ、

形成外科なら保険がきくから全然そんなにかからないよと先生に言われ、

ようやく21歳の時に修正手術を受けることになりました。

21歳のちょうど就活が始まる前に1回と、24歳の時に1回、それから去年の夏に1回、計3回受けています。

 

治療に関して、学生の頃は学校を早退したり休んだりして通院や手術を受けていたのですが、

社会人になるとそうもいかないので、修正手術を受けるタイミングが限られてしまいます。

最初の修正手術は一週間、2回目が二週間、3回目は日帰りで一週間後には外出もできましたが、

やはり学生のうちに済ませてしまったほうが良かったなと思います。

どのタイミングで話すのがいいのか。私なりの意見

私は自分で調べるまで修正手術の存在を知らなかったので少し遅かったと思っているのですが、

確かに口唇口蓋裂という病気の話をお子さんに話すのか話さないのか、話すとしたらいつのタイミングがいいのか、

というのはご両親にとって悩みの一つではないでしょうか。

 

私個人の意見でいうと、10代後半、高校生~成人くらいまでの間に、改めてきちんと話をして、

修正手術を受けるかどうかという提案もしてあげて欲しいなと思います。

そのくらいの年齢になれば、病気のことを理解し、受け入れ、その先の治療のことも自分で考えられるようになるからです。

容姿のコンプレックスや悩みを自分から打ち明けるのはなかなか勇気がいることで、

恥ずかしかったり、金銭面での負担や、迷惑をかけるんじゃないかと思ってしまうのです。

でも実際私は手術を受けて以前より傷跡も目立たなくなりましたし、鼻や唇の形も綺麗になり、本当に受けてよかったなと思っています。

もちろん個人差はあると思いますが、私も生まれた時の写真を見ると(正直あまり見たことがないのですが)、

決して軽くはなかったと思います。

しかも、先生からケロイド体質だから傷が治りにくいとも言われています。

それでも小さい頃の写真と見比べると、こんなに綺麗になるんだなと、本当に先生方に感謝しています。

 

今はもっと綺麗に治してくれるはず

私が生まれたのが26年前なので、この26年で医療技術も当然進歩しているでしょうし、症例もかなり増えていると思います。

なので今生まれたばかりの子、これから生まれてくる子たちは私以上に綺麗に治してもらえるのではないかと思っています。

ここ数年で、事故の傷跡や火傷の跡がかなり綺麗になるような新しい治療法も開発されていますし、

あと10年、20年後にはさらに傷が分からなくなるような治療法が開発されるのではないかと期待しています。

 

メイクに関しても、ぜひ早いうちから教えてあげて欲しいです。

最近はお肌に優しいナチュラルな化粧品も出ていますし、メンズ化粧品も流行っています。

少しコンシーラーとファンデーションを使うだけでもだいぶ印象が変わるのです。

私は大学生の頃から、いろいろな化粧品売り場を回ってたくさん試してきたのですが、

人それぞれ肌の色や傷跡の色も違うので、試してみて合うものを見つけて欲しいです。

今はYouTube等でメイク動画もたくさんあるので、そういうものも参考にできると思います。

 

(後編へ続く)

 

 

あんちゃん(anchan☆

Blog:口唇口蓋裂だけど可愛くなりたい

※Blogから直接メッセージもOKとのことです。

 

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